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〝伊調イズム〟だ。レスリングの明治杯全日本選抜選手権3日目(17日、東京体育館)、女子53キロ級決勝で藤波朱理(19=日体大)が清岡もえ(育英大)にテクニカルフォール勝ち。大会3連覇で9月の世界選手権(セルビア)代表の座を射止め、来年のパリ五輪出場に大きく前進した。
序盤から片足タックルでバックを取り、ポイントを重ねた。圧倒的なスピードとフットワーク、ひたすら攻め続ける姿勢で、相手に反撃を許す暇を与えない圧勝劇。それでも本人は「自分のレスリングができて、こういった結果につながったと思う」と冷静そのものだった。準々決勝では東京五輪女王の志土地真優(ジェイテクト)を撃破し、勢いの差を見せつけた。この日の勝利で、〝霊長類最強女王〟吉田沙保里を超えた連勝は122まで伸びた。
日体大では、五輪4連覇を果たし、国民栄誉賞を受賞した伊調馨の指導を受ける。この日も試合前に声をかけられ「これ以上ないくらい勇気になった」という。藤波は「(会場で)たくさんのカメラがいて、慣れないことが多いけど、もっともっとすごいものを背負った人から、そういったアドバイスは力になった。ありがとうございます」と感謝することしきり。数々のプレッシャーをはねのけ、頂点を極めた最強女王の〝イズム〟を力に変えている。
世界選手権を制すればパリ五輪代表が決まる。「世界選手権で優勝して、パリ五輪の代表権を絶対に持ち返る」と最後まで力強い若き女王は、その先にはもちろんパリの頂点も見据えている。
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